今から資産運用や投資をしようという方でよくやりがちな失敗が、日本の企業の株ばかり買うという事です。
もちろん、日本の企業の中にはしっかり利益を出している会社もあります。
しかしながら長期的にみた場合、投資に適格な日本企業はほぼないといって良いです。
タイトルに魅かれた方には申し訳ないですが、日本の株に投資すべきではない理由をいくつか紹介したいと思います。
日本株に投資しない方が良い理由
少子高齢化
まず、日本はこれから急激な少子高齢化を迎えるという事です。
では、少子高齢化は株式にとって何がいけないんでしょうか?
まず、人口が減ると当然その国の中で消費(物を買う量=お金を使う量)が減ります。という事は当然、色々な企業が儲からなくなってくる訳です。
人口1億人より2億人の方が消費が多いですよね?人口が多い方がたくさんものが売れます。日本はこの逆で人口が減る訳ですから、どんどん消費が落ち込んでいく事が予想されるています。
色々な企業が儲からなくなるという事は、当然株価にもいい影響はありません。儲けが少なくなってくる訳ですから、株を買いたい人も少なくなってきます。
株式の本質である配当金も期待できませんし、需要と供給の関係でいうと当然株価は下がります。なので、日本株は投資対象にはならないのです。
為替依存度が高くなる
「いやいやトヨタとか世界的な企業があるじゃない?そういう会社に投資したら良いんじゃないの?」って思われる方も多いかも知れません。
日本の人口が減れば、国内の販売数減少は必至となるため、販売は国内より国外に依存するような形になってきます。
そうなると、もやは企業の業績で配当や株価が決まる訳ではなく、為替に依存するような形になってきます。
円高になれば赤字、円安になれば黒字、企業そのものの評価より為替次第という事になってきますので、もはや企業分析もクソもありません。これは既にリーマンショックの時に経験しているはずです。リーマンショックの時は超円高になりトヨタは赤字になりました。後で説明しますが、一番肝心な株が下がった時に配当金が出ないので、配当の再投資も出来ません。
GPIF、日銀による大量買い付け
コロナウィルスの前までは「日本株で儲かってるよ」という方も多かったかと思います。
でもこれは、決して日本の景気が良いからではないんですね。
トヨタの筆頭株主を見てみましょう。
①日本トラスティサービス信託銀行
②豊田自動織機
③日本マスタートラスト信託銀行
④日本生命
⑤JPモルガンチェース
と並んでいます。
問題は1位と3位です。日本トラスティサービス銀行、日本マスタートラスト信託銀行って何なんでしょうか?
色々な会社の筆頭株主を見て頂くと、この2つの信託銀行が上位を席巻しています。
実はこの2つがGPIF(年金積立金管理運用独立行政法人)や日本銀行なんですね。
GPIFは皆さんの年金(国民年金、厚生年金等)を運用している機関で、相当な資金を持っています。
日銀は紙幣発行機関なので、やろうと思えばいくらでもお金を作り出せる機関です。
この2つが大量に株を買って、株価を下支え、もしくは釣り上げている訳です。
色々な会社の筆頭株主になれるぐらいの資金を投入している訳ですから、その額は相当な金額である事がわかります。
つまり日本の株は本当の株価ではなく、操作された株価であるという事が言えます。
これでは本当の日本経済の実力は分からなくなってしまいます。業績の悪い会社の社長でも「うちの会社はまだ株主に支持されている」という驕り(おごり)、高ぶり、慢心を助長させる可能性が高くなります。
本来は需要と供給によって上がらなければならない株価が、無理やり釣り上げられている訳ですから、こんな怪しい株価はない訳です。
現在の株価が高いのか?適正なのか?低いのか?分からなければ、分析も出来ません。従って投資に向かないという事になります。
持ち株会の存在
私が投資のメインとしているアメリカには「持ち株会(アメリカではストックオプションと言います)」という制度を採用している会社はほとんどありません。
何故ならこれは、アメリカでは「株主軽視」と捉えられるからです。
持ち株会は一般的に、その会社の社員が例えば10,000円を拠出した場合、11,000円の株が買えます。
つまり払ったお金の10%多く株が買える訳ですね。
さらに持ち株会は配当金を再投資しますので、どんどん株式が発行されていく訳です。
そうなるとどんどん株が発行される事によって、一株当たりの価値が下がっていく事になりますので、既存の株主には何もメリットがありません。
社員は払ったお金の10%多く株価が買え、配当金も再投資して株がどんどん発行されるのに対して、社外の人間は購入時にメリットはないですし、どんどん株が発行されて株の価値が薄れていきます。
株主というのは会社に資金を出資している人でもあるので、そういう人たちにとって持ち株会は「なめとんのか?」と思われても仕方ない制度なのです。
なので株主軽視と言われます。株主にとって何もメリットがない制度なので、その会社の株を買う事がアホらしくなってしまうからです。
トヨタでも持ち株会をやっていますので、投資の対象としない方が良い事が分かります。
株主優待で済ませる
株を買う時に「株主優待の良い会社」を選ぶ人が多いですが、はっきり言いますが「愚の骨頂」です。
下手すると配当金は出さず、株主優待だけ出すという会社もあります。
私は個人的にコストコの株を持っているのですが、よく「コストコって株主優待ないの?」って聞かれます。
でもアメリカの会社でそんな制度を採用している会社はほとんどありません。
株式の本質は会社の儲けを株主に分配する「配当金」であり、株主にお金を使わせる「株主優待」ではありません。「株主優待」を基準に選んでしまう方は、この本質が分かっていません。
「吉野家の株を買うと牛丼が安く食べられるぞ、やったー!」本質が分かってないとこういった考え方になります。
しかも投資をするにあたっては、配当金を再投資する複利運用をしなければ、本当の効果が得られません。
残念ながら株主優待では複利効果は発生しません。
株主優待を出せる余力があるなら、それを配当金に回せるはずなのです。
でもそれをしないという事は複利効果が薄れる事を意味しますので、やはり日本株は投資対象としない方が良いと思います。
配当貴族・配当王
世界経済の中心であるアメリカには配当貴族と言って25年以上連続増配している会社が100社以上あります。また、配当王と言って50年連続増配している会社は27社あります。
ただ配当を払うだけでなく「増配」しているというところがポイントです。
今までITバブル崩壊やリーマンショック、チャイナショックなど株にとってはマイナスな出来事が色々ありましたが、それでもずっと配当金を増やしてきた訳ですね。
一方日本はどうでしょうか?配当貴族としてかろうじて「花王」の一社があるだけです。
先ほど言った通り、配当金を再投資しなければ複利効果は得られません。
こういった意味でも日本株に投資する価値はないんですね。
世界人口増加、世界的企業
日本の人口は減りますが、アメリカはもちろん、多くの国では人口が増え続けます。
アメリカは世界的な企業をたくさん抱えています。
GAFA(グーグル、アマゾン、フェイスブック、アップル)に代表される様なIT企業やコカコーラ、P&G(プロテクターアンドギャンブル)の様な昔からある企業など様々です。
これらの企業は世界の人口が増えれば、自然と利用者数が増えます。
世界の人口が増えるのに、アップルのスマホが売れなくなる、コカコーラが飲まれなくなるなんて事はありえないんですね。
なので必ず投資するにあたってはアメリカを中心に考えなければなりません。
どうしても日本に投資したい場合は、日経225ETFや日経平均インデックスファンドに投資した方が良いでしょう。決して個別株は買わない方が良いです。
また、市場規模的に日本株は資産の10~15%ぐらいで留めておいた方が良いです。※ちなみに私は日本株は0%です。
よってタイトルの答えは「日本株はやめておいた方が良いし、お勧めの企業もない」という事になります。
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