自分が勤めている会社の持ち株会ってどうなの?
よく自分の会社の持ち株会をやっているので、他の投資に回せるお金がありませんなんていう事を言ってる人をよくお見受けします。
結論から言うと、持ち株会はやらない方がいいです。仮にその会社がどんなに優れた会社でもです。
そもそも持ち株会を未だにやっている会社が多いのは日本だけです。アメリカではほとんど採用されていません。
持ち株会のリスク
さて、何故持ち株会はやらない方がよいのでしょうか?一例を見てみましょう。
エンロンに投資していた投資家、ならびに自社株を401kプランに組み込んでいた従業員など多くの関係者が巨額の資産を失い、あるいは損失を抱えることとなった。Wikipedia「エンロン」より抜粋
エンロンという会社はエネルギー関連(電気・ガス・パイプライン)、IT関連を手掛ける企業で全米7位、従業員数21,000人という世界有数の企業でした。
ところがインドのインフラ事業での巨額損失が明るみに出て最終的には倒産してしまいました。
そうなると、会社がなくなるので当然従業員の給料は途絶えます。そして、会社が倒産した事により、持ち株会で積み立てていた株も一気に価値がゼロになってしまいます。
収入も財産もゼロになるというダブルパンチを食らった訳です。会社が潰れなくても業績悪化により、ボーナスカット、株価ダウンという事も十分ありえます。
持ち株会はこういったリスクがあるのでおすすめしません。日本株一点買いはリスク分散の観点からもしない方が良いでしょう。
アメリカでの持ち株会の評価
投資の神様ウォーレン・バフェット氏は持ち株会(アメリカではストックオプションと言います)について次のように言っています。
「ストックオプションは投資家の財布に手を付ける行為」
つまり、言い換えると「泥棒」をしていると言っている様です。
まず、ストックオプションの多くは購入代金の10%多くの株式を購入する事が出来ます。そして、株式を保有する事によって生じる配当金も自動的に再投資され、株式がどんどん生み出されます。
購入代金の10%多く株式が発行され、配当再投資で更に株式が発行される。
どんどん株が発行される事によって、1株当たりの価値が薄れていく訳ですね。これでは社外の株主にとって何もメリットはありません。
バフェット氏はこれを「泥棒」だと言っている訳です。
株式というのは、出資者が会社に資金を提供し、その提供した資金の見返りとして配当金をもらっています。
持ち株会はこの出資者に対する冒涜な(ぼくとく)、株主軽視な訳です。なので現在アメリカの企業ではほとんどストックオプションを採用していません。
ストックオプションは株の価値を下げている訳ですから「お金を出資してくれた人に対して何してくれてんの?」と言いたくなる気持ちも分かりますね。
まとめ
①持ち株会はリスク回避、分散投資の観点からやらない方が良い。収入と財産にダブルパンチを受けてしまう。どんな優れた会社であってもやらない事。
②持ち株会は、特に社外の人にとっては、株の価値が棄損していく制度なので、持ち株会を採用している会社には投資しない方が良い。
コメント