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国内株式、外国株式、国内債券、外国債券に4分割投資するのは得策か?
色々な投資雑誌やインターネットの情報などを見ると、国内外の株式や債券に4分割すると安定的なパフォーマンスが得られるという風に書かれている事があります。金融庁のHPにも同じような事が書かれているぐらいです。
果たして本当にそうでしょうか?
実際のところ、長期的に考えた場合、4分割投資法はパフォーマンスもさほど高くないですし、安定性も欠けます。
実際のデータを基に検証してみましょう。
債券と株式の長期的なパフォーマンスの差は?
では長期的にみた時の債券と株式のパフォーマンスの差ですが…
これはジェレミーシーゲル著「株式投資の未来」からの抜粋です。1802年に1ドルだったものが200年でどれだけ資産価値が増加したのかを示すデータですが、過去200年では株式が圧倒的にパフォーマンスが高い事が分かります。
長期債券の約600倍、短期債券の約2,000倍です。如何に株式のパフォーマンスが良いかが分かります。
長期的にみた場合、資産の中に債券を組み込み価値はあまりない様に感じますよね?
ちなみに私の資産には債券は一切組み込んでおりません。
債券を組み込むと資産は安定するのか?
これも一度データを見てみましょう。
同じく株式投資の未来」からの抜粋です。「インフレ調整後」とありますが、インフレも絡めて説明するとややこしくなるので、インフレは一旦無視します。
まず、リスクというのは「不確実性」の事で、資産の増減のブレ(ボラティリティ、値動き)を示します。
保有期間が1年だと株式の価格のブレは約18%、長期債券は約9%、短期債券は約6%と短期債券のブレが一番小さくなっています。
ところが、保有期間が長くなるにつれ、この3つの資産価値のブレの差はどんどん小さくなり、20年後には株式の価格のブレは短期債券をも下回る様になります。
30年保有すれば、明らかに株式の価格のブレが小さくなっている事が分かります。
つまり長期的にみた場合、株式がもっとも価格のブレが少ないので、債券を入れたから安定感が増すという事はないという事になります。
こういった理由からも、債券を資産に組み込む価値はなさそうに見えます。
一般的に株価が下がった時は、債券価値は上がるものではないのか?
確かに、株価が下がった時は、債券価値が上がる傾向にあります。
しかしながら、特に日本の債券の場合、元の金利、債券価値が低すぎて、多少値上がりしたぐらいでは、何の資産価値上昇も見込めません。
通常時保有していてもほぼ金利は付かないからパフォーマンスが悪いし、株価暴落時も大して資産価値の値上がりは期待できないので、保有する価値は薄いのです。
アメリカの債券なら、日本と比べて多少は金利が高いので、日本と比べると保有する価値は若干ありますが、それでも金利水準は過去最低クラスに低いのであまり保有する価値はないと言えるでしょう。
まとめ
①長期的にみた場合、一番値上がりが期待できるのは株式になるので、4分割投資で債券を半分組み込んでしまうとパフォーマンスが大きく下がってしまう。従って債券に投資する価値は薄い。
②長期的(20年以上)にみた場合、一番リスク(不確実性、価格のブレ)が低いのは株式であり、債券を半分取り入れたからと言って安定性が増す訳ではない。
投資の神様ウォーレン・バフェット氏も「S&P500インデックスファンドに90%、短期債券(米国)に10%」と言っている様に、あまり債券に割合を割かない方が良いでしょう。債券を入れすぎるとパフォーマンスが悪くなるだけです。
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