初心者はいきなり個別株に手を出したがる
さて投資を始めようとした時に、いきなり個別の会社の株を買おうと考える人がいらっしゃいます。
個別株とは、例えば「トヨタ」とか「ソニー」とか「任天堂」とか、その会社の株を個別に買う事です。
「トヨタなら間違いない」「ソニーなら間違いない」「任天堂なら間違いない」という言う風に、一社決め打ちで株を買うんですね。
実はこういったやり方は、投資を熟知した人からすると非常に危険なやり方です。
日本有数の企業の「トヨタ」でさえ、内燃機関から電気自動車の切り替わりの中、どうなるか先行きは全然見えない状況です。豊田章男社長も「海図なき戦い」と言っている様に、電気自動車の場合、異業種からの参入も比較的容易になるため、自動車業界もどうなるか全く分かりません。
例えば、フィルムカメラからデジタルカメラへの移行が遅れたため、アメリカでカメラフィルムの9割のシェアを持っていたコダックは潰れました。どんな一流企業でもこの先どうなるか何て誰もに分からないのです。
また、一見業績が良さそうに見える会社でも粉飾決算をしている場合もあります。
残念ながらその会社が粉飾決算しているかどうかなんて外部の人間はどうやっても分かりません。
アメリカのエネルギー&IT関連企業のエンロンは粉飾決算で破綻し倒産しました。
日本では堀江隆文氏のライブドアも粉飾決算で上場廃止になりました。
破綻や上場廃止にならなくても、時代への対応が遅れ、後進企業に後退したり、業績が悪くなるという事も十分考えられます。当然株価にはいい影響はありません。
とにかく初心者がいきなり個別株に手を出すのは危険です。いつ、どのタイミングで会社が傾きだすか分かりません。
なぜ初心者は投資信託から始めるべきか?
例えばどこか1社の株を買ったとして、その会社が潰れたとします。
その場合、皆さんの投資資産は0円になってしまいます。
では、仮に2社の株を買っていたとしましょう。
1社潰れた時のダメージは50%です。先ほどの様に0円にはなりません。
では3社だとどうか?1社潰れた時のダメージは33%です。
また1社潰れた時のダメージが軽減されました。
この様にたくさんの企業の株を買えば、1社ブレた時のダメージは軽減するのです。
4社 25%
5社 20%
10社 10%
100社 1%
100社に分ければ1社潰れた時のダメージは1%です。かすり傷みたいなもんです。
では、100社の株を個人的に揃えるのはどうでしょうか?分析に膨大な時間を要しますし、分析したからといって株を買った会社が成功するかどうかは分かりません。また、1人で100社の株を買い揃えるのは骨が折れます。そんな事やっていたら生活が疎かになります。
この問題を一発で解消できるのが投資信託、とりわけその中でもインデックスファンドと呼ばれる投資信託です。
インデックスファンドの分散効果
例えば日経225インデックスファンドと呼ばれるものは、それに投資するだけで自動的に225社に分散投資してくれるので、購入の際に手間がかかりません。
アメリカのS&P500インデックスファンドなら、S&Pグローバルレーティング社が選定するアメリカの上位500社に分散投資出来るので分散効果は絶大です。
インデックスファンドは運用会社が皆さんに変わって株を購入するので、当然、投資信託には手数料がかかります。
手数料を懸念されて投資信託をしない方も多くみられますが、最近では0.1%を切ってきていますので、本当に僅かです。手数料が理由で投資信託をしないのはもはや時代遅れです。
おすすめの投資信託は?
投資信託の中でおすすめは、先ほど紹介したS&P500指数に連動するインデックスファンドです。
日本では
SBI:SBI・バンガード・S&P500インデックス・ファンド
三菱UFJ国際:eMAXIS Slim米国株式(S&P500)
です。この二つは信託報酬が0.1%を切っていますし、経済が堅調なアメリカに投資する事が出来ますので、おすすめです。
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