チャートの分析は必要か?
投資の初心者で、チャートを勉強してしきりに売り買いをしている方をよく見かけます。
しかしながら、短期的な売り買いを繰り返しても大して投資で勝てない事は歴史が証明してます。
これはアメリカの株式のベンチマーク「S&P500」の年ごとのチャートです。
グラフを見て頂くと、2000年頃と2008年頃に2回ほど株価が暴落しています。
2000年のITバブルと2008年のチャイナショックですね。
注目して頂きたいのが暴落する直前です。どちらも上げ相場といって、ほぼ右肩上がりの状態ですね。
多くの方が「おっ今株価が上がってるぞ!この波に乗り遅れるな!」って事で、上げ相場に乗っかります。
まぁ上げ相場なので誰でも勝てる訳なんですが、ここで初心者は「俺って天才!?」って思ってしまう訳なんですね。そして自分は天才と信じ込み、そして上げ相場に乗じてどんどん資金を注ぎ込みます。
でも上げ相場がずっと続く訳でもなく、そのうち暴落が起こります。その時には既に資金の大半をつぎ込んでしまっているので、下がった時に追加する資金もなく死んでいくんですね。
俗にいうコツコツドカンってヤツです。株価が上がる時はじわじわ上がるのに対して、下がる時は一瞬で下がります。そのうち戻るかもしれないと思って保有していても、下がる時は「底なしの様に下がってしまうのではないか?」と思ってしまい、笑ってしまう様な安い金額で株を手放してしまうんですね。
結果「やめておけば良かった」といって市場からフェードアウト(退場)してしまいます。
投資の神様ウォーレン・バフェット氏の言葉で「潮が引いたとき、誰が裸だったかが分かる」という有名な格言がありますが、正にこの通りです。上が相場に乗じて勝ってただけで、本当は実力なんてなかったんです。
グラフは年のチャートを載せましたが、1分足でも、10分足でも、4時間足でも、週足でも変わりません。どれだけ過去のチャートを分析したとしても、その通りには動かないので分析の意味はありません。
何なら機関投資家やヘッジファンドはアルゴリズムを用いて皆さんの裏を突いて、皆さんの資産を如何に奪ってやろうか?と虎視眈々を狙っています。
億万長者はどうやって株で儲けているのか?
名著「となりの億万長者」によると、億万長者の95%が株を有している為、株が資産を築く上での重要な資産である事は間違いありません。
でも、同じ株でも儲け方が全然違うんですね。
色々な名言から、億万長者がどの様に財を築いているか紹介します。
『過去50年以上に渡る経験と市場観察によればテクニカルアプローチによって、長期的に利益を上げたものなど一人もいない。』ベンジャミン・グレハム著「賢明なる投資家」より
※テクニカルアプローチ…株価チャートなどを分析して短期的に売買を繰り返す事
『投機的な考えはお金持ちになるには不向きだ。危険が大きく、よくわからずに手を出すと大変なことになる。(中略)「このニュースが出たから」とか「昨日はこう動いたから明日はこうだ」などという雑念は無視すること。そして何より一夜にして大儲けしようという考えは捨ててもらいたい。』リチャード・テンプラー著「できる人のお金の増やし方」より
※投機…短期的に売買を繰り返して利益を出す手法
『私たちが調査した億万長者の95%が株を有しており、大半の人が資産の20%以上を上場株に投資している。だが頻繁に株を売ったり買ったりしているわけではない。株価市場の上げ下げを毎日追っているわけではない。証券会社に毎朝電話してロンドン市場の様子を聞く人はほとんどいない。新聞の記事を読んで売買することもない。(中略)株を頻繁に取引する億万長者を見つけるのは至難の技だ。』トマスJスタンリー、ウィリアムDダンコ著「となりの億万長者」より
『ウォーレン・バフェットについて、あるいは彼がどうやって投資銘柄や企業を決めているかについて調べてみるといい。彼は買った株を長い間持ち続けていて、他の人たちみたいにしょっちゅう売ったり買ったりしないんだ。彼について読んだり、テレビのインタビューを見たりすると、すごくいい勉強になる。歴史上最高の投資家の一人だからね。』デヴィッド・ビアンキ著「13歳からの金融入門」より
いかがでしょうか?先ほどのバフェット氏を含めて本当の億万長者は株を頻繁に売ったり買ったりしていない事が分かります。短期的に売買しても、売買手数料で確実に儲かるのは胴元(証券会社など)であり、皆さんはその売買手数料の分、取引する度に確実に資産を減らす事になります。
では億万長者はどうやって利益を出しているのか?って言う事なのですが…
億万長者の多くは「バイアンドホールド」という投資手法を用いています。バフェット氏もバイアンドホールドの賛同者です。
ではバイアンドホールドとはどんな手法でしょうか?
直訳すると「買う、そして保有する」ですね。そうです、買ったら後はずっと保有していれば良いのです。全然難しくないですよね?
チャートを見る必要なんてこれっぽっちもないのです。
なぜ「バイアンドホールド」で億万長者になれるのか?
では、何故買って保有しているだけで億万長者になれるのか?というと…
それには「複利」という概念を理解する必要があります。
この複利はあのアインシュタインが「人類が発見した最も重要な数学的発見だ」と言ったぐらい破壊力があります。
複利についてはこちら→お金を爆発的に貯める唯一の方法
これを読んで頂けると複利がどれほどの破壊力があるか分かると思います。
売ったり買ったりしてしまっては、複利の効果が働かないんです。確かに短期売買は一瞬輝かしい成績を収めれる事はありますが、残念ながらそれがずっと続く訳ではないんですね。
なので、長い歴史を見てもチャート分析して短期売買で利益を出す手法は、バイアンドホールド戦略に勝てない事が証明されています。
バイアンドホールドに向いている商品は?
先程、紹介したS&P500指数に連動したインデックスファンドが向いています。
日本では
三菱UFJ国際:eMAXIS Slim米国株式(S&P500)
SBI:SBI・バンガード・S&P500インデックス・ファンド
あたりが手数料(信託報酬)も安くお勧めです。私はSBIですが正直どちらでも良いです。
これらを買って(積立て投資が望ましい)、老後まで保有し続けて下さい。そうすれば億万長者もすぐそこです。
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