投資で何をやっても勝てないという人は多いのではないかと思います。
また、一度の失敗で致命的なミスをしてしまい「二度と投資はしない」なんていう状況に陥っている人もいるのではないでしょうか?
投資というと、チャートや難しい統計学、テクニックを駆使して利益を出していくものって思われている方が多いですが、これは完全に間違いです。
「初めの間は手堅く倹約生活を続けていて、急に途中からぐれ出す人々を多く見かけるが、仔細に(詳細に)これを調べてみると、いずれも功を急いで不堅実なやり方をしたものばかりである。すなわち実力相応な進み方をしていればよいのに、資産不相応な融資をしたり、無理算段の投資をしたり、己の器以上に大きな仕事や不慣れな事業に手を染めたり、とにかくいたずらに成功を焦ったり、堅実を欠くに至った人たちが失敗に帰しているのである。だから、少しばかり金ができても、早く金持ちになろうとか急に財産を増やそうと焦るのは、例え一時の小成功を収める事はあっても、必ず最後はつまずきを招くものであるから、何人もよくよく注意しなければならない。」
これは明治~昭和にかけての投資家「本多静六氏」の本「私の財産の告白」の一部です。
要するに高度な統計学やテクニックで市場を出し抜こうとしても、一時の小さな成功はあったとしても、いつかは痛い目に合うという事です。
ところが最初に話した通り、多くの方は高度な統計学やテクニックで市場を出し抜こうとしてしまいます。
お金持ちになる事に焦ってしまい失敗してしまいます。ゆっくり堅実にお金持ちになる事が下手くそなんですね。
さて、ゆっくり堅実にお金持ちになるにはどうしたらいいでしょうか?
「とにかく金というものは雪だるまの様なもので、初めはほんの小さな玉でも、その中心になる玉が出来ると、あとは面白い様に大きくなってくる。少なくとも四分の一天引き貯金始めた私の場合はそうであった。これはおそらく誰がやっても同じ事であろう。だから、私は確信をもって人にも勧めてきた。どんなつらい思いをしてもまず1,000円をお貯めなさい。千円貯まればたちまち5,000円貯まり、5,000円貯まれば間もなく10,000円にはいとやすい事である。ここまでくれば金が金を生み、金があるところにまた色々いい智慧もでてきて、いよいよ面白い投資口も考えられてくる。こうなるともう、すべては独りでに動き出し、やたらに金が増えてきて、我ながら驚くものである。」
こちらも「私の財産の告白」からです。
「雪だるま」とか「金が金を生み」というのは、ある同じものを表現しています。
それは「複利」です。この複利を使えば、誰でもゆっくりですが確実にお金持ちになる事が出来ます。
では、複利の仕組みを見ていきましょう。
利息の付き方には「単利」と「複利」の二通りあります。
下の表は元本100万円を単利、複利それぞれ10%で運用した時の推移です。
まずは単利の方から見ていくと、1年後は110万円、2年目は120万円、3年目は130万円という風に10万円ずつ増えていますね。
これは最初に投資した100万円の10%である10万円が毎年利息として乗っかっているためです。
計算式としては100万円+10万円+10万円+10万円+10万円+…という風になります。
次に複利を見ていくと1年目110万円、2年目121万円、3年目133.1万円という風に単利と比べると少しずつ差が開いていきますね。
何故複利の方が増えていくかというと、複利は乗っかった利息にも利息が乗っかるからなのです。
1年目は100万円の10%の10万円、2年目は110万円の10%の11万円、3年目は121万円の10%の12.1万という風に少しずつ利息が増えていきます。
計算式としては100万円×110%×110%×110%×100%×…という風になります。
単利が足し算なのに対して、複利はかけ算で増えていきます。
特筆すべきは10年上です。単利の10年目は200万円、20年目は300万円、30年目は400万円、40年目は500万円、50年目は600万円となっています。
一方複利の場合は、10年目259万円、20年目672万円、30年目1,744万円、40年目4,525万円、50年目1億1,173万円となっています。
単利と比べると10年目は1.3倍程度にしかなりませんが、20年目は2倍以上、30年目は4倍以上、40年目は9倍以上、50年目に至っては約20倍まで膨れ上がっています。
これが複利の効果です。恐ろしいパワーがある事が分かります。
この複利という仕組みを使う事でゆっくりですが、確実にお金持ちになる事が出来ます。
もしあなたがチャートを分析したり、高度なテクニックで市場を出し抜こうとしていたら、今すぐやめてゆっくり確実にお金持ちになれる方法を選んで下さい。
コメント