大手金融機関でよく勧められる毎月分配型投資信託ってどうなのか?
よく大手の金融機関(特に銀行)で「毎月分配型の投資信託を勧められた」という相談を受けます。
結論から言うと、「よくそんな商品勧めれますよね?」っていうぐらいの非常に悪どい提案です。
何故なら複利の効果が働かないからです。投資をする上でこれは致命的なダメージになります。
では、まずその複利の効果とはどういったものか見ていきましょう。
複利とは?
金利の付き方には単利と複利の2通りあり、お金を爆発的に増やすには複利を使わなければなりません。
では単利と複利を比較しながら見ていきましょう。
これは元本(投資の原資となるお金)100万円を年10%の単利で運用した場合と、複利で運用した場合の比較表です。
単利の場合、1年後は110万円、2年後は120万円、3年後は130万円という風に10万円ずつ増えています。これは何故かと言うと、最初の元本の100万円にのみ金利が乗っているためです。何年経っても元本にしか金利が乗らないので、増え方はずっと10万円です。
複利の場合はと言うと、1年後は110万円で単利と変わりませんが、2年後は121万円、3年後は133.1万円という風に少しずつ単利の場合と差が開いていきます。
これは何故かというと、単利が元本にしか金利が乗らないのに対して、複利の場合は乗っかった利息にも利息が乗っている為です。
そして注目して頂きたいのが10年以上経過した時です。
10年目 単利200万円 複利259万円 差59万円
20年目 単利300年目 複利672万円 差372万円
30年目 単利400万円 複利1,744万円 差1,344万円
40年目 単利500万円 複利4,525万円 差4,025万円
50年目 単利600万円 複利1億1,739万円 差1億1,139万円
どうでしょうか?年数が経てば経つほど差が広がっていきます。これが複利の恐ろしさです。
毎月分配型投資信託では複利が働かない?
投資信託の中には分配型と再投資型というのがあります。
分配型は投資で得られた分配金を都度払いだします。元本(口数)に変更はありませんので、単利になってしまいます。
再投資型は同じように分配金は発生しますが受け取らずに、そのままその投資信託を買い増しします。すると元本(投資信託の口数)が膨れ上がり、翌年の分配金が増え、配当利回りを複利にする事が出来ます。※配当利回り=分配金/投資信託評価額
特に毎月分配型の投資信託だと分配金を払えない場合、元本から取り崩して分配金を払う場合があるので単利にもなりません。これをタコ足配当というのですが、単利以下です。
なので、毎月分配型の投資信託は悪どい提案なのです。毎月分配型の投資信託でも「再投資」の設定をしておけば複利運用になりますが、その商品を売っている人も良く分かっていないので、私は再投資設定されている毎月分配型投資信託を見たことがありません。
金融機関では「毎月もらえた方が安心じゃないですか?」なんて謳い文句で毎月分配型の投資信託をよく売っていますが、「何が安心なんですか?」と思います。
どういった投資信託が良いのか?
そもそも最初から自動的に分配金を再投資する投資信託をお勧めします。
お勧めの商品は
三菱UFJ国際:eMaxis slim米国株式(S&P500)
SBI証券:SBIバンガードS&P500インデックスファンド
です。
S&P500の優位性については私のブログで何度か紹介しておりますので、探して見て下さい。
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