よく資産運用の雑誌とかを見ると、「テンバガー(10倍株)を探せ!」なんて紹介していますよね。
しかしながらそんなものは当たりませんし、雑誌に載っている時点でもう買うには遅いです。
個人が個別の企業を分析したり、将来の業績を当てるのは相当難しい事なのです。
プロでもそう当たりませんし、投資初心者が同じことをしたらまず負けます。
初心者はまず投資信託、特にインデックスファンドから始めるべきで、ある程度経験を積んでからETF(上場投資信託)、そして個別株に移行して行った方が良いです。
サッカーでいうといきなりJ1デビューするのではなく、J3→J2→J1とステップアップしていった方が良いです。そうしないとJ1でいきなりコテンパンにやられてフェードアウトしていくのがオチです。
投資信託から始める事によってまず、市場のサイクルが分かってきます。
チャートを眺めていれば値動きは分かりますが、自分のお金が動いている訳ではないので実感が持てない事から、自分のお金で投資信託を購入して値動きを見るべきです。
例えば、最近の出来事でいうと米中貿易戦争や北朝鮮動向、イラン動向、新型コロナウィルスなどで、市場全体がどういう値動きをしているのか見ていって下さい。
インデックスファンドなら日本の場合、日経平均を構成する225社を全部購入しますし、アメリカの場合はS&P500などアメリカの上位500社の株を全部買うというインデックスファンドがありますので、まずはそういったものを買って値動きを確認してみて下さい。
つぎに、市場全体を値動きが同じになるインデックスファンドから、セクター別のETFに移行すると良いと思います。
セクターというのは簡単にいうと業種だと思って下さい。生活必需品や通信、公益事業、資本財、消費財、エネルギー、ハイテク(情報技術)、ヘルスケア(医療)など色々あります。
例えば不況の時は生活必需品セクターが強いんですね。不況になったからと言って洗剤やシャンプー、歯磨き、化粧品などが売れなくなる事はないんですね。生活していくのに必要なものですからどんな時でも売れますので安定感があります。
また、通信事業も不況には強いですね。不況だからと言って人が電話しなくなったり、スマホゲームしなくなったり、動画見なくなったりという事はありません。
エネルギーセクターは有事(戦争、特に中東地域)があると、株価が急落したりしますが、配当利回りが高かったりします。
ハイテク(情報技術)セクターはITバブルで大ダメージを受けたものの、現在のGAFA(Google、Apple、Facebook、Amazon)の様に時代を代表するような会社に成長しました。ITバブルの時はインターネットは終わったなんて言われましたが、現在ではアメリカの株価をけん引する存在になっています。
自動車などの耐久消費財は不況が来ると一気に業績が悪くなりますので、不況の影響を受けやすいです。
この様にインデックスファンドは市場全体の株価を反映するのに対してセクター別であれば、その業種ごとの特徴を知る事が出来ます。
ETFでセクターごとの特徴を掴むことが出来たら、つぎは個別株です。
ETFはそのセクターの株をほぼ全部買うので、いい会社も入っていれば悪い会社も入っています。
個別株であれば、優良株のみ自分で選択する事が出来ますし(当然個別株の倒産・業績悪化リスクは高まります)、投資信託やETFの様に信託報酬を取られません。
セクターごとに数社ほど個別株を購入し、あとは長期保有して配当をどんどん再投資していって下さい。
残念ながらテンバガーを狙って、仮に一瞬の輝かしい成績を収めたとしても、長期的に見ると配当再投資(複利)には勝てない事が証明されています。
勉強する気がなければ、ずっと投資信託(インデックスファンド)でも構いません。複利の効果で皆さんのお金をどんどん増やしてくれるはずです。
勉強する気があれば、投資信託(インデックスファンド)→ETF→個別株をそれぞれ10年ぐらいのスパンで移行していって下さい。
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